サマリー
◆日銀短観(2016年6月調査)では、製造業と非製造業のいずれも中小企業の業況感が悪化しており、中小企業の経営状況に厳しさが現れていることが示された。また、大企業製造業の足下の業況感が低水準で横ばい、大企業非製造業は2四半期連続の悪化と、大企業の業況に対する慎重姿勢も明らかになった。
◆大企業製造業の「業況判断DI(最近)」は+6%ptと前回(+6%pt)から横ばいとなり、市場コンセンサス(+4%pt)を上回った。大企業非製造業の「業況判断DI(最近)」は+19%ptと前回調査(+22%pt)から悪化したものの、市場コンセンサス(+18%pt)は上回った。「業況判断DI(先行き)」を見ると、大企業製造業が+6%pt(今回から横ばい)、大企業非製造業は+17%pt(今回から▲2pt悪化)となった。
◆大企業全産業の2016年度の売上高計画は前年度比▲0.7%、経常利益計画は前年度比▲7.3%となった。輸出の停滞や個人消費の弱さなどを受けて、売上高と経常利益計画のいずれも下方修正された。特に、大企業製造業において、経常利益計画が10%以上(修正率▲11.6%)も大きく下方修正された点が懸念される。
◆全規模全産業の2016年度の「設備投資計画(含む土地、除くソフトウェア)」は、前年度比+0.4%と前回(同▲4.8%)から上方修正された。6月日銀短観の設備投資計画には、中小企業を中心に上方修正されるという「統計上のクセ」がある。今回は、昨年後半以降の内外需の停滞や円高進行の影響により、例年の修正パターンに比べて上方修正幅が小さくなる(当社予想、前年度比▲1.1%)とみていたが、実際には例年並みの上方修正となった。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
消費データブック(2026/6/3号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2026年06月03日
-
国際比較でみる日本企業の行動変化
収益性の改善をもたらした2000年以降のコスト構造
2026年06月03日
-
2026年1-3月期法人企業統計と2次QE予測
設備投資が5年ぶりに減少/2次QEでGDPは下方修正へ
2026年06月01日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
-
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
-
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

