サマリー
◆2016年4月の家計調査によると、実質消費支出は季節調整済み前月比+0.2%と3ヶ月連続で増加した。振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)は同+2.9%と2ヶ月ぶりに増加した。
◆実質消費支出の動きを費目別に見ると、「交通・通信」(前月比+16.9%)、「教育」(同+21.1%)などが前月から増加した一方、「住居」(同▲23.5%)や「家具・家事用品」(同▲5.9%)などが減少した。
◆先行きの個人消費については、非常に緩やかながら拡大基調をたどると見込んでいる。労働需給は引き続きタイトであり、パート・アルバイトの賃金が緩やかな増加基調にあることは、先行きの個人消費を下支えする要因になると考えられる。加えて、実質賃金が上向いていることも好材料だ。ただし、今年のベースアップの増加幅が昨年より縮小したことや株安が消費マインドを抑制する一因となる。このように、個人消費を取り巻く環境は依然として厳しく、個人消費には下振れリスクが残存している点にも留意しておきたい。
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