2月機械受注

2月機械受注は市場予想を上回る。先行きは横ばい圏での推移を予想

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2016年04月11日

  • 岡本 佳佑
  • 小林 俊介

サマリー

◆2016年2月の機械受注統計によると、国内設備投資の先行指標である民需(船舶・電力を除く)は、前月比▲9.2%と3ヶ月ぶりの減少となったものの、市場コンセンサス(同▲12.0%)は上回った。1月分が特殊要因もあって大幅増となっていたため、2月の結果がマイナスとなったことは市場予想通りであり、前月比大幅減となったことをネガティブに捉える必要はなかろう。民需の動向を均してみると、横ばい圏で推移していると評価できる。


◆2月分のデータに関して、需要者別に受注を見ると、製造業は前月比▲30.6%と2ヶ月ぶりに減少した。1月に鉄鋼業において大型受注があったことの反動の影響が現れた。非製造業(船舶・電力を除く)は前月比+10.2%と3ヶ月連続で増加した。非製造業は振れを伴いながら緩やかな増加基調を辿っている。


◆設備投資の先行指標である機械受注は先行き、横ばい圏で推移する展開を予想している。日銀がマイナス金利を導入したことを受け、企業の資金調達コストが低下することが設備投資を下支えするとみている。また、労働需給が引き続きタイトな中、特に外需の影響を受けにくい非製造業において、人手不足に対応した省力化・省人化投資が行われることが期待できるだろう。一方、新興国経済の減速や円高・ドル安の加速といった外部環境の悪化が、製造業を中心とした輸出関連企業の業績の重石となる公算が大きくなってきた点は気がかりだ。これまでの設備投資を支えてきた“好業績”という前提が崩れれば、企業は設備投資に対して慎重姿勢を強める可能性があろう。

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