2016年3月日銀短観予測

大企業は製造業と非製造業ともに悪化し、海外リスクが一部に顕在化

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2016年03月23日

  • 金融調査部 主任研究員 長内 智
  • 小林 俊介

サマリー

◆4月1日に公表予定の2016年3月日銀短観において、大企業製造業の業況判断DI(最近)は9%pt(前回調査からの変化幅:▲3pt)と2四半期ぶりの悪化、大企業非製造業の業況判断DI(最近)は23%pt(同:▲2pt)と6四半期ぶりの悪化を予想する。


◆製造業は、海外経済の減速に起因する輸出と生産の停滞や、昨年末以降の円高進行が企業の業況感に対してマイナスに作用したとみている。非製造業に関しては、足下の個人消費の弱さが下押し要因となったことに加え、前回調査が事前予想以上に強かったことからの水準調整も出ると想定した。


◆2015年度の設備投資計画(全規模全産業、見込み)は前年比+7.0%となり、12月短観から小幅に下方修正されると予想する。これは、3月短観において、大企業製造業および中堅企業製造業において設備投資計画が下方修正されるという「統計上のクセ」があることによる。ただし、前年比の大きさなどを勘案すると、日銀短観で見る2015年度の企業設備投資は総じて堅調だと評価できるだろう。


◆2016年度の設備投資計画(全規模全産業)は前年比▲4.6%と予想する。これは、3月調査において、企業が翌年度の設備投資計画を控えめに回答するという「統計上のクセ」があることを反映したものに過ぎず、マイナス幅自体は例年並みになると想定した。

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