12月鉱工業生産
作り込みの反動で減産、先行きは旧正月の影響で一進一退ながら増産
2016年01月29日
サマリー
◆2015年12月の生産指数は前月比▲1.4%となり、2ヶ月連続の低下となった。市場コンセンサス(同▲0.3%)から下振れしている上、出荷指数の落ち込みも同▲1.7%と大きく、ネガティブな結果となっている。在庫は同+0.4%の微増となり、在庫率指数は同+0.4%と双方ともに2ヶ月連続で上昇した。ただし予測調査では一進一退ながら先行きの増産見通しが示されており、日本経済が足下の踊り場局面を脱し、回復基調へ復していくことを示唆する内容であった。
◆先行きの生産は一進一退ながらも再度緩やかな増産傾向に転じると見込んでいる。内需については、勤労世帯および年金受給世帯の実質所得環境改善に伴う消費の回復を見込んでいる。また、国内設備投資に対する企業の意欲は衰えておらず、資本財需要の下支え要因となろう。外需についても、強弱入り混じりながらも緩やかな回復基調に復する見通しだ。米国では家計部門を中心に底堅い景気拡大が続いており、耐久財等の輸出は増加傾向が続くだろう。欧州向け輸出については、原油価格下落やECBによる量的緩和の効果などから持ち直しており、均してみれば回復基調が継続すると見込んでいる。アジア経済に関しては、中国の預金準備率引き下げや利下げなどによる実体経済の底上げが確認され始めており、消費財などを中心に一段の需要減少は回避される公算が大きい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2021年01月15日
ポストコロナの人事制度を考える視点
~働く人の意識変化をどう捉えるか~
-
2021年01月14日
2020年11月機械受注
船電除く民需は市場予想に反し2ヶ月連続で増加、回復基調が強まる
-
2021年01月14日
アメリカ経済グラフポケット(2021年1月号)
2021年1月12日発表分までの主要経済指標
-
2021年01月13日
震災10年、被災地域から読み解くこれからの復興・防災・減災の在り方
『大和総研調査季報』 2021年新春号(Vol.41)掲載
-
2021年01月14日
共通点が多い「コロナ対策」と「脱炭素政策」
よく読まれているリサーチレポート
-
2020年12月17日
2021年の日本経済見通し
+2%超の成長を見込むも感染状況次第で上下に大きく振れる可能性
-
2020年12月01日
2020年10月雇用統計
有効求人倍率が1年半ぶりに上昇
-
2020年11月20日
日本経済見通し:2020年11月
経済見通しを改訂/景気回復が続くも、感染爆発懸念は強まる
-
2020年08月14日
来春に改訂されるCGコードの論点
東証再編時における市場選択の観点からも要注目
-
2020年10月15日
緊急事態宣言解除後の地域別観光動向/Go To トラベルキャンペーンのインパクト試算
ローカルツーリズムが回復に寄与するも、依然厳しい状況が続く