サマリー
2015年の中国は25年ぶりの低い経済成長率に終わったが、主因は製造業の不振にある。製造業からサービス産業への構造転換が中国経済の安定化に寄与するバッファーになっているという見方も可能だが、サービス産業は雇用吸収能力があっても概して生産性は低い。またサービス産業の付加価値の少なからぬ部分が金融業と不動産業によって生み出されていることは、不動産市場の行方次第で中国の成長率が大きく低下する可能性があることを意味する。人民元の下落は製造業の競争力回復にとって好ましいことだが、許容可能な範囲の下落に留めるために人民銀行は大規模な人民買い・ドル売り介入を行っている。その結果、マネタリーベースは減少し続けており、これまでの数次にわたる金融緩和策にもかかわらず、量的には引き締め策と同様の効果がもたらされている。景気回復のために利下げを行えば資本流出が加速し、人民元の下落に対して市場介入を行えば利下げ効果を相殺してしまうというジレンマを政策当局は抱えている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
中国:ダウントレンドの中の循環的底打ちも
2015年は6.9%成長。2016年はほぼ変わらずの6.8%と予想
2016年01月21日
-
欧州経済見通し 原油安の功罪
消費者マインドは強気を維持できるか
2016年01月21日
-
米国経済見通し 株安はFRBのせいなのか
内需主導での拡大続くが、短期的には株価下落が下押しリスク
2016年01月21日
-
日本経済見通し:景気下振れリスクが強まる
景気の緩やかな回復を予想するが、5つのリスクに要注意
2016年01月21日
同じカテゴリの最新レポート
-
CPIの2025年基準への改定による影響
コアCPIの前年比上昇率は0.0~▲0.3%pt程度の下方改定か
2026年07月16日
-
2026年5月機械受注
船電除く民需は前月の反動などで大幅に減少
2026年07月15日
-
骨太方針のポイント② ~「責任ある積極財政」の試金石は2030年代に
「財政ボーナス期」後を見据え「成長ありき」でない財政運営が必要
2026年07月15日
最新のレポート・コラム
-
データサイエンスを踏まえた年金数理理論の人的資本分析への発展可能性
新たな退職率算定方法による退職要因分析への応用
2026年07月17日
-
AI時代に自社のサイバー対策は正解なのか?
~Claude Mythos騒動を受けた各企業の対応を確認する~
2026年07月17日
-
CPIの2025年基準への改定による影響
コアCPIの前年比上昇率は0.0~▲0.3%pt程度の下方改定か
2026年07月16日
-
中国:26年2Qは4.3%成長、内需が急減速
4月~6月は政府成長率目標の下限を下回る
2026年07月16日
-
AI時代の競争力を生むのは誰か? ~シリコンバレーとシアトルが示す「人材エコシステム」の力~
2026年07月17日
よく読まれているリサーチレポート
-
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
-
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
-
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
-
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日

