サマリー
◆日銀短観(2015年12月調査)では、悪化が見込まれていた大企業の業況感が予想外の横ばいとなった一方で、企業が先行きに対して一段と慎重になっていることが明らかになった。この背景としては、中国をはじめとする海外経済の減速、輸出と生産の停滞や個人消費の回復ペースの鈍さなどが考えられる。
◆大企業製造業の「業況判断DI(最近)」は+12%ptと前回調査から横ばいとなり、悪化を見込んでいた市場コンセンサスを僅かながら上回った。大企業非製造業の「業況判断DI(最近)」も+25%ptと前回調査から横ばいとなった。非製造業に関しては、これまでの改善ペースが少し速かったことからの反動が出るとみていたが、依然として業況感は底堅い状況にある。
◆大企業全産業の2015年度の売上高計画は前年度比▲1.1%、経常利益計画は前年度比+6.5%となった。売上高は冴えない個人消費や輸出の停滞などを受けて小幅な減収になった一方、値上げや資源安によるマージンの改善を背景に、しっかりとした経常増益が見込まれる。
◆全規模全産業の2015年度の「設備投資計画(含む土地、除くソフトウェア)」は、前年度比+7.8%と前回(同+6.4%)から上方修正された。12月日銀短観では、中小企業を中心に設備投資計画が上方修正されるという「統計上のクセ」があるが、9月日銀短観同様、非製造業を中心に通常の修正パターンより強い結果だと評価する。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
-
中国経済:2023年の回顧と2024年の見通し
24年の成長率目標は5%か?達成の鍵は民営企業へのサポート強化
2023年12月21日
-
2024年の米国経済見通し
①個人消費の腰折れ、②インフレ率の高止まり、③政治の停滞がリスク
2023年12月21日
-
2024年度税制改正大綱解説
定額減税は経済対策としては疑問だが、インフレ調整策としては有効
2023年12月25日
-
四半期報告書の廃止に関する改正法の成立
四半期報告書が廃止された後の四半期決算短信の内容は?
2023年12月04日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
中国経済:2023年の回顧と2024年の見通し
24年の成長率目標は5%か?達成の鍵は民営企業へのサポート強化
2023年12月21日
2024年の米国経済見通し
①個人消費の腰折れ、②インフレ率の高止まり、③政治の停滞がリスク
2023年12月21日
2024年度税制改正大綱解説
定額減税は経済対策としては疑問だが、インフレ調整策としては有効
2023年12月25日
四半期報告書の廃止に関する改正法の成立
四半期報告書が廃止された後の四半期決算短信の内容は?
2023年12月04日