10月全国消費者物価
コアCPIは3ヶ月連続のマイナス。東京コアCPIはマイナスを脱する
2015年11月27日
サマリー
◆2015年10月の全国コアCPI(除く生鮮食品、以下コアCPI)は前年比▲0.1%と3ヶ月連続のマイナスになり、市場コンセンサス通りの結果となった。これは、2014年の夏場以降の原油安に伴うエネルギー価格の大幅な下押し圧力が僅かに改善した一方で、半耐久財とサービスのプラス寄与が縮小したことによる。総じて見ると、コアCPIの前年比はゼロ近傍での推移が続いており、日本銀行の2%のインフレ目標や政府の目指す「デフレ脱却」には程遠い状況にある。
◆2015年11月の東京コアCPI(中旬速報値)は、前年比0.0%(10月同▲0.2%)と5ヶ月ぶりにマイナス圏から脱した。前月からの変化を確認すると、いずれの財・サービスも押し上げに寄与しており、特にサービスの押し上げ効果が大きい。
◆先行きのコアCPIの前年比は、基調として見ると、しばらくゼロ近傍で推移すると考えている。これまでの食料品、日用品、外食などの値上げの影響が引き続き消費者物価の押し上げ要因になるものの、エネルギー価格の下押し圧力が強く残り、それが食料品などの値上げの影響を上回るためである。これまで安定的に推移してきた家計の期待インフレ率が鈍化しており、それも消費者物価の重石となるとみている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
2022年05月25日
肥大化する業務
その業務は利益に貢献しているのか
-
2022年05月24日
欧州経済見通し まとわりつく負のオーラ
ウクライナ侵攻の長期化によって、不透明さを払拭できず
-
2022年05月24日
日本経済見通し:2022年5月
経済見通しを引下げ/サービス消費等の「伸びしろ」が景気を下支え
-
2022年05月24日
中国:ゼロコロナ政策下の中国経済の行方
年後半は明確に回復も22年は4.5%程度の実質成長にとどまると予想
-
2022年05月25日
「制度」と「執行」の狭間にある闇
よく読まれているリサーチレポート
-
2022年03月22日
日本経済見通し:2022年3月
ウクライナ情勢の緊迫化による日本・主要国経済への影響
-
2022年01月24日
円安は日本経済にとって「プラス」なのか「マイナス」なのか?
プラスの効果をもたらすが、以前に比べ効果は縮小
-
2022年03月23日
ロシアのウクライナ侵攻で一気に不透明感が増した世界経済
-
2022年02月10日
ロシアによるウクライナ侵攻の裏側にあるもの
ゼレンスキー・ウクライナ大統領の誤算
-
2022年03月17日
FOMC 想定通り、0.25%ptの利上げを決定
ドットチャートは2022-24年にかけて、計10.5回分の利上げを予想