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企業の利益分配から見た賃金・設備投資の先行き

大企業製造業が設備投資のけん引役に

2015年08月11日

小林 俊介

経済調査部 エコノミスト 久後 翔太郎

経済調査部 シニアエコノミスト 橋本 政彦

サマリー

◆足下の日本経済はこれまでの拡大傾向が一服しているが、企業収益は極めて高い水準での推移が続いている。こうした良好な企業収益を背景として、設備投資の拡大や、雇用環境の改善を背景とした消費の回復などに代表される「経済の好循環」はどのような形で進展していくのだろうか。その答えを探るべく、本稿では業種別・規模別で見た企業の利益分配を分析し、賃金・設備投資の先行きを検討する。


◆雇用不足感が特に強い中小企業非製造業は労働分配率が高く、人件費の増加が収益を圧迫する要因になるとみられる。加えて、設備投資の企業収益に対する弾性値が大きいことから、人件費負担の増加が企業収益の減少を経由して設備投資を抑制する可能性が高い。


◆一方、大企業非製造業では、雇用不足感が強く人件費の増加圧力は高まっているものの、労働分配率の水準が低いため、収益を経由した設備投資の押し下げは限定的なものになるとみられる。また、大企業製造業では人件費負担の増加が設備投資を抑制する可能性は低い。マクロで見た設備投資は増加基調が続くとみられるが、その中心は大企業、とりわけ製造業になるだろう。

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