サマリー
◆2015年6月の貿易統計では、輸出金額は前年比+9.5%と10ヶ月連続の増加となり、ほぼ市場コンセンサス(同+10.0%)に沿う着地となった。前月の同+2.4%からは大きく改善したものの、曜日配置の影響や円安に伴う価格効果がその主因であり、輸出数量は米国向けの不調を背景として低水準での推移が続いている。輸入金額は同▲2.9%と6ヶ月連続の減少となり、貿易収支は▲690億円と、3ヶ月連続の赤字となった。
◆今月の結果は、総じて海外需要の回復・拡大傾向が、いったん停滞に転じていることを示唆する内容であった。米国では原油価格の低下やドル高が企業部門の重石となっており、米国向け輸出の主力製品である資本財等の不調が当面続く可能性には注意が必要だ。
◆輸出の先行きに関しては、強弱入り混じりながらも緩やかな増加基調に復するとの見方を維持する。米国では家計部門を中心として底堅い景気拡大が続いており、耐久財を中心に輸出の増勢回復が見込まれる。欧州経済については原油価格下落やECBによる量的緩和の効果などから持ち直しつつあり、日本からの輸出を牽引する主体として期待できる。アジアに関しては、中国を中心として中期的に厳しい局面が続く可能性が高い。ただし中国の預金準備率引き下げや利下げなどによる実体経済の底上げが確認され始めており、これまで足踏みが続いてきた資本財輸出等の回復も目先では期待されよう。
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