サマリー
◆2015年4月の全国コアCPI(除く生鮮食品、以下コアCPI)は前年比+0.3%と、市場コンセンサス(同+0.2%)を小幅に上回った。消費税を除くベース(大和総研による試算値)でみると、エネルギーのマイナス寄与が拡大し、サービスのプラス寄与が縮小したことで、前年比▲0.1%と2013年4月以来2年ぶりのマイナスとなった。従来から当社は、コアCPIが早ければ4月に前年比マイナスに転じると予想しており、それに沿った結果と言える。
◆2015年5月の東京コアCPI(中旬速報値)は、前年比+0.2%と前月(同+0.4%)からプラス幅が縮小した。財・サービス別に見ると、エネルギーが60ヶ月ぶりのマイナスとなったこと、サービスのプラス寄与が縮小したことなどが押し下げに寄与した。東京コアCPIの結果を踏まえると、5月のコアCPIは前年比▲0.1%となる見込みである。
◆先行きのコアCPIの伸び率は、昨年夏場以降の原油安に伴うエネルギー価格の下押し圧力が残ることから、当面は前年比ゼロ近傍ながらも、小幅なマイナスでの推移が続くとみている。食料品などの値上げが予想以上に増えており、こうした動きが引き続き消費者物価の押し上げに寄与すると想定される。しかし、「ガソリン」と「灯油」のマイナス寄与がしばらく続くことに加えて、6月頃から「電気代」がマイナス寄与に転じる見込みであり、これらエネルギーによる物価下押し圧力が円安進行に伴う食料品などのプラス寄与を上回ると考えている。
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