9月鉱工業生産

コンセンサスを上回る良好な結果、持ち直しへの期待高まる

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2014年10月29日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2014年9月の生産指数は、前月比+2.7%と2ヶ月ぶりの上昇となり、市場コンセンサス(同+2.2%)を上回る良好な結果であった。今回の結果だけで生産の底打ちを判断するのはやや早計だが、製造工業生産予測調査による10月、11月の生産計画も底堅く、これまで減少傾向となってきた生産が持ち直しに向かうことを期待させる内容と言える。


◆9月の生産指数を業種別に見ると、全15業種中、13業種で上昇が見られた。金属製品工業は前月から横ばいとなっており、前月から低下したのは化学工業(前月比▲0.1%)のみであった。生産全体のヘッドラインの強さに加えて、幅広い業種で生産の増加が見られており、内訳をみてもポジティブな結果である。


◆製造工業生産予測調査では、10月の生産計画は前月比▲0.1%、11月は同+1.0%となり、一進一退ながら生産の持ち直しを見込む結果となった。10月の生産計画を業種別に見ると、9月に生産が大きく増加した、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、輸送機械工業の減産が全体の足を引っ張る形となっている。11月については、10月に大幅な増産を見込むはん用・生産用・業務用機械工業が減産に転じる計画となっているものの、それ以外の全ての業種では増産を見込む結果となった。

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