サマリー
◆2014年9月の生産指数は、前月比+2.7%と2ヶ月ぶりの上昇となり、市場コンセンサス(同+2.2%)を上回る良好な結果であった。今回の結果だけで生産の底打ちを判断するのはやや早計だが、製造工業生産予測調査による10月、11月の生産計画も底堅く、これまで減少傾向となってきた生産が持ち直しに向かうことを期待させる内容と言える。
◆9月の生産指数を業種別に見ると、全15業種中、13業種で上昇が見られた。金属製品工業は前月から横ばいとなっており、前月から低下したのは化学工業(前月比▲0.1%)のみであった。生産全体のヘッドラインの強さに加えて、幅広い業種で生産の増加が見られており、内訳をみてもポジティブな結果である。
◆製造工業生産予測調査では、10月の生産計画は前月比▲0.1%、11月は同+1.0%となり、一進一退ながら生産の持ち直しを見込む結果となった。10月の生産計画を業種別に見ると、9月に生産が大きく増加した、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、輸送機械工業の減産が全体の足を引っ張る形となっている。11月については、10月に大幅な増産を見込むはん用・生産用・業務用機械工業が減産に転じる計画となっているものの、それ以外の全ての業種では増産を見込む結果となった。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
消費データブック(2025/5/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2025年05月02日
-
2025年1-3月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+0.5%を予想
外需が下押しも内需は堅調/小幅ながら4四半期連続のプラス成長
2025年04月30日
-
2025年3月鉱工業生産
自動車工業や電気・情報通信機械工業など10業種が前月から低下
2025年04月30日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日