サマリー
2014年6月に成長戦略の改訂版である「『日本再興戦略』改訂2014—未来への挑戦—」(以下、新成長戦略)が閣議決定された。今回の新成長戦略では、昨年6月の成長戦略では踏み込めなかった岩盤規制と呼ばれる農業や医療において比較的思い切った改革メニューが示され、昨年の成長戦略よりも高く評価できる内容だ。一方で、肝心の雇用・労働市場改革はまだ踏み込み不足の感が強い。
具体的には、労働時間規制の三位一体改革が後退し、不当解雇時の事後的な金銭解決の結論も先送りとなっている。法人実効税率は2015年度からの引き下げが明記された点は高く評価できるが、具体的な引き下げ幅やスケジュール感等の詰めの作業が必要だ。また、農業や医療での岩盤規制の改革も高く評価できるが、企業の農地所有を認めることや農地関連の税制改革、混合診療について実効性のある運用体制づくりが今後の大きな課題となるだろう。
グローバルな競争圧力の高まりや超少子高齢社会のピークを迎える前に、イノベーションを促す人材力の強化やそれを促す周辺環境の整備・規制改革が必要だ。今後は教育投資や人材活用への優遇政策も含めて、雇用・人材面で一歩進んだ成長戦略を打ち出すべきである。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
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