サマリー
「異次元の金融緩和」とも評される量的・質的金融緩和の導入から1年が経過した。本稿では、初めに、量的・質的金融緩和と過去の金融政策の違いについて説明した上で、量的・質的金融緩和が想定している3つの波及経路が機能しているか否かを確認する。
結論として、3つの波及経路のうち、ポートフォリオ・リバランス効果はあまり効果を発揮していないものの、期待インフレ率の押し上げとイールドカーブの押し下げについては、量的・質的金融緩和の効果が顕在化していると考えている。
次に、これらの波及経路を通じた、量的・質的金融緩和の実体経済への影響について考察を行った。この結果、円安を実現したことによる効果は実体経済と物価の双方にとって大きかったが、実体経済の改善には金融政策以外の要因も大きく貢献していたことが確認できた。
最後に、金融政策の方向性として、量的・質的金融緩和が直面するであろう課題を検証した。

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