サマリー
「異次元の金融緩和」とも評される量的・質的金融緩和の導入から1年が経過した。本稿では、初めに、量的・質的金融緩和と過去の金融政策の違いについて説明した上で、量的・質的金融緩和が想定している3つの波及経路が機能しているか否かを確認する。
結論として、3つの波及経路のうち、ポートフォリオ・リバランス効果はあまり効果を発揮していないものの、期待インフレ率の押し上げとイールドカーブの押し下げについては、量的・質的金融緩和の効果が顕在化していると考えている。
次に、これらの波及経路を通じた、量的・質的金融緩和の実体経済への影響について考察を行った。この結果、円安を実現したことによる効果は実体経済と物価の双方にとって大きかったが、実体経済の改善には金融政策以外の要因も大きく貢献していたことが確認できた。
最後に、金融政策の方向性として、量的・質的金融緩和が直面するであろう課題を検証した。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年6月貿易統計
輸入金額は過去最大/4-6月期外需寄与度は+0.3%pt程度を見込む
2026年07月22日
-
骨太方針のポイント③ ~現役世代の社会保険料負担抑制を前面に
8月上旬決定の給付付き税額控除と「つなぎ」消費減税は導入へ
2026年07月22日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
最新のレポート・コラム
-
最高路線価に読む立地の収益力
大都市圏への集中と、商業拠点から観光拠点への主役交代の兆し
2026年07月23日
-
第6次男女共同参画基本計画にみる重要な展開と日本企業への示唆
男性の問題への注目、成果目標の引き上げ、AIリスクに対する懸念
2026年07月23日
-
ガバナンス・コード改訂のパブコメ注目点
解釈指針の位置づけ、保有現預金の検証等について解釈を示す
2026年07月22日
-
2026年6月貿易統計
輸入金額は過去最大/4-6月期外需寄与度は+0.3%pt程度を見込む
2026年07月22日
-
スポーツイベント中継で存在感を増す動画配信事業者の台頭は業界再編を促すか
2026年07月22日
よく読まれているリサーチレポート
-
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
-
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
-
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
-
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
中国経済見通し:泥沼化する不動産不況
低迷する内需。財政出動・さらなる金融緩和への期待が高まる
2026年06月22日
ナフサ問題がもたらす日本経済の不安要素
物価上昇は避けられず、供給不足が生じればさらなる経済下押しも
2026年06月15日
第229回日本経済予測(改訂版)
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年06月08日
「成長投資ガイダンス」の解釈とその活用法
資本コストを上回る資本収益性の確保は価値創造(EP)の前提条件
2026年06月17日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日

