サマリー
◆総務省「家計調査」によると、2014年3月の実質消費支出は季節調整済み前月比+10.8%と、消費税率引き上げ前の駆け込み需要によって大幅に増加した。振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)で見ても、同+9.9%と同様に増加している。幅広い品目で駆け込み需要が発生したことに加え、前月大雪の影響で消費できなかった分が後ずれしたことも、消費を押し上げたとみられる。
◆経済産業省「商業販売統計」によると、3月の名目小売販売額は、季節調整済み前月比+6.3%と3ヶ月連続で増加した。「自動車小売業」を除く全ての業種で、駆け込み需要が売上を押し上げた模様である。
◆4月の小売販売動向によると、消費税率引き上げ後の4月は売上が前年比10%~20%減少している模様だ。3月の大幅な消費増を踏まえると、4月の減少幅は想定よりも小さい印象である。ただし、4月の反動減の規模が小幅だとしても、5月以降も減少が続いた場合、最終的に反動減が想定以上の規模になるということも考えられる。今後の個人消費動向を見る上では、反動減からの回復ペースが焦点になるだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年4-6月期GDP(2次速報)
実質GDP成長率は前期比年率+2.2%に高まるも民間在庫などが主因
2025年09月08日
-
一億自己啓発社会の死角
データが示す、転職志向・子育て・ジェンダーにおける格差
2025年09月05日
-
2025年7月消費統計
需要側統計は強いが供給側は弱く、総じて見れば前月から概ね横ばい
2025年09月05日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日