「好循環実現のための経済対策」の評価~2014年度のGDPを0.51%押し上げ

概ね想定通りの内容。消費税増税の影響は相当程度緩和される見込み

RSS

2013年12月06日

  • 齋藤 勉
  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2013年12月5日、安倍内閣は「好循環実現のための経済対策」を閣議決定した。事前報道の通り、5兆円を超える大規模なものとなったが、消費税増税による経済への下押し圧力を緩和する事業は半分程度であり、残りの半分は成長戦略の推進という色合いが強い。なお、経済対策の中身はおおむね当社の想定通りであり、経済見通しの数値に変更を強いられるものではなかった。


◆増税が経済に与えるマイナスの影響を緩和するためには、一時的な措置に加えて、経済全体の体力を底上げする措置が求められている。今回の経済対策は、即効性は低いかもしれないが、中長期的に経済を下支えする政策が含まれているという意味で、バランスのとれたものととらえてよいだろう。


◆今回の経済対策は、比較的バランスのとれた対策になっていると評価できるものの、すべての方策がきちんと実行されることが条件である。経済対策を編成したことで満足せずに、2014年度前半の需要の落ち込みを埋める政策、競争力強化策の双方を、適切かつ迅速に執行していくことが重要であろう。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。