サマリー
◆2013年12月5日、安倍内閣は「好循環実現のための経済対策」を閣議決定した。事前報道の通り、5兆円を超える大規模なものとなったが、消費税増税による経済への下押し圧力を緩和する事業は半分程度であり、残りの半分は成長戦略の推進という色合いが強い。なお、経済対策の中身はおおむね当社の想定通りであり、経済見通しの数値に変更を強いられるものではなかった。
◆増税が経済に与えるマイナスの影響を緩和するためには、一時的な措置に加えて、経済全体の体力を底上げする措置が求められている。今回の経済対策は、即効性は低いかもしれないが、中長期的に経済を下支えする政策が含まれているという意味で、バランスのとれたものととらえてよいだろう。
◆今回の経済対策は、比較的バランスのとれた対策になっていると評価できるものの、すべての方策がきちんと実行されることが条件である。経済対策を編成したことで満足せずに、2014年度前半の需要の落ち込みを埋める政策、競争力強化策の双方を、適切かつ迅速に執行していくことが重要であろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
経済指標の要点(10/16~11/14発表統計)
2025年11月14日
-
次世代型企業研修の最前線
対話型AIやメタバースを活用した人的資本形成の効率化・高度化
2025年11月10日
-
2025年9月消費統計
衣料品など半耐久財が弱く、総じて見れば前月から小幅に減少
2025年11月07日

