9月消費統計

7-9月期の個人消費は横ばい圏での推移となる見込み

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2013年10月29日

  • 齋藤 勉

サマリー

◆総務省「家計調査」によると、2013年9月の実質消費支出は季節調整済み前月比+1.6%と2ヶ月ぶりの増加となった。振れの大きい住居や自動車などを除いた実質消費支出(除く住居等)で見ても、同+1.3%と2ヶ月連続で増加している。9月の個人消費は、堅調に増加したと捉えている。


◆経済産業省「商業販売統計」によると、9月の名目小売販売額は、季節調整済み前月比+1.8%と2ヶ月連続で増加した。様々な商品で販売価格が上昇しているため、名目の販売金額が上振れしているものの、物価上昇の影響を差し引いても9月の小売販売は堅調な結果であったと言えよう。


◆9月の個人消費は総じて改善したと言える。ただし、7月、8月の個人消費は4-6月期と比較して低い水準で推移したことから、GDPベースで見た7-9月期の個人消費は横ばい圏での推移となる見込みである。


◆雇用環境は改善が続いており、労働需給の引き締まりを通じて、徐々に所得を増加させる可能性が高い。消費者マインドは改善に転じており、消費性向も上昇傾向にある。さらに、10-12月期以降は、2014年4月に予定されている消費税増税前の駆け込み需要が発現するとみられることから、個人消費は増勢を強めていく見込みである。

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