サマリー
◆2013年7月の生産指数は、前月比+3.2%と2ヶ月ぶりの上昇となった。市場コンセンサス(同+3.6%)を下回ったものの、前月の大幅な落ち込みを取り戻す高い伸びであり、生産の持ち直し傾向が確認される内容であった。出荷指数は前月比+1.3%と2ヶ月ぶりの上昇となり、在庫指数は同+1.5%と上昇したことから、在庫率指数は同▲0.5%と2ヶ月ぶりの低下(改善)となった。
◆7月の生産を業種別に見ると、15業種中12業種で前月から上昇しており、総じて強い結果であった。特に、はん用・生産用・業務用機械工業、電子部品・デバイス工業、輸送機械工業など、前月の低下幅が大きかった加工組立業種が高い伸びとなり、全体を押し上げた。
◆先行きに関して、生産は今後も増加基調が続くと予想する。生産が安定的に増加するかどうかは、輸出数量の増加がカギとなる。新興国経済の減速が懸念材料ではあるが、米国の景気拡大や円安の効果によって輸出数量は増加傾向が続くとみられ、生産を牽引する見込み。さらに、2012年度補正予算による公共投資の増加や、2014年4月に予定される消費税増税前の駆け込み需要によって、内需は年度末にかけて加速し、生産を押し上げる公算が大きい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
消費データブック(2025/5/2号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2025年05月02日
-
2025年1-3月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+0.5%を予想
外需が下押しも内需は堅調/小幅ながら4四半期連続のプラス成長
2025年04月30日
-
2025年3月鉱工業生産
自動車工業や電気・情報通信機械工業など10業種が前月から低下
2025年04月30日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
-
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
-
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
トランプ関税で日本経済は「漁夫の利」を得られるか?
広範な関税措置となっても代替需要の取り込みで悪影響が緩和
2025年03月03日
地方創生のカギとなる非製造業の生産性向上には何が必要か?
業種ごとの課題に応じたきめ細かい支援策の組み合わせが重要
2025年03月12日
中国:全人代2025・政府活動報告を読み解く
各種「特別」債で金融リスク低減と内需拡大を狙う
2025年03月06日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日