6月日銀短観予測

業況判断の大幅な改善と、設備投資計画の上方修正を予想

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2013年06月20日

  • 齋藤 勉

サマリー

◆7月1日に公表予定の2013年6月日銀短観において、大企業・製造業の業況判断DI(最近)は4%pt(前回調査からの変化幅:+12%pt)、大企業・非製造業の業況判断DI(最近)は13%pt(前回調査からの変化幅:+7%pt)とそれぞれ改善を予想する。1-3月期の決算はおおむね好調な結果となり、先行きも収益の改善が見込まれる。さらに、各種の政策効果への期待感から、幅広い業種で業況感の改善が期待できる。


◆業種別に見ると、製造業では国内外で販売が好調な「自動車」や、円安メリットを享受しやすい「電気機械」、「鉄鋼」などを中心に業況判断の改善が見込まれる。非製造業では、堅調な個人消費を受けた「小売」や、消費税増税前の駆け込み需要のピークを控えた「不動産、物品賃貸」などで業況判断が改善するだろう。


◆2013年度の設備投資計画(全規模・全産業)は前年比▲0.1%と、前回調査(前年比▲3.9%)からの上方修正を予想する。大企業では、製造業、非製造業ともに前年比で増加の見通しが示されるだろう。中小企業でも、設備投資計画は3月時点から上方修正が見込まれる。設備投資はこれまで低水準での推移を続けてきたが、企業の設備投資意欲は緩やかながら改善傾向にあるとみられる。輸出の増加と国内経済の回復により、設備投資は持ち直しに向かう公算が大きい。

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