2013年1-3月期GDP2次速報

在庫が上振れするも、ほぼ想定通り

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2013年06月10日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2013年1-3月期の実質GDP成長率(2次速報)は前期比年率+4.1%(前期比+1.0%)と、1次速報(前期比年率+3.5%、前期比+0.9%)から上方修正された。市場コンセンサス(前期比年率+3.5%、前期比+0.9%)からわずかに上振れした形だが、これは在庫投資が市場予想を上回ったためであり、特段ポジティブな内容というわけではない。


◆1次速報からの改訂を需要項目別に見ると、法人企業統計を受けて、設備投資は前期比▲0.3%と1次速報(同▲0.7%)から上方修正となった。ただし、前期比減少が続いており、設備投資の低迷が続いているという状況に変化はない。民間在庫も、法人企業統計を受けて1次速報から上方修正(実質GDPに対する寄与度、1次速報:▲0.2%pt→2次速報:▲0.0%pt)された。在庫の上方修正が、今回GDPが上方修正された主因である。


◆先行きに関しては、4-6月期以降もGDPは増加傾向が続き、本格的な景気拡大に向かうと見込んでいる。ようやく下げ止まってきた輸出は、海外景気の改善に加え、2012年末からの円安による押し上げ効果がラグを伴って発現することで、増加基調となる可能性が高い。設備投資は依然低迷が続いているが、輸出増加による企業収益の改善や生産の増加に誘発されて、徐々に増加に向かうと見込んでいる。また、企業収益の改善が家計の所得環境にも波及することで、個人消費を下支えすることとなろう。4-6月期以降は、家計部門、企業部門、外需がバランスよく成長する姿が想定される。また、こうした循環的な回復に加え、①足下やや減速している公共投資は、2012年度補正予算が2013年2月末に成立したことを受け、再加速する公算が大きいこと、②2014年4月(予定)の消費税増税に向けて、個人消費、住宅投資では、年度後半に向けて駆け込み需要が発生する可能性が高いこと、といった要因もあり、2013年度内は成長が徐々に加速していく見込みである。

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