9月日銀短観

景気は踊り場入りするも、想定内の悪化

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2012年10月01日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆景気の踊り場入りを確認する内容:2012年9月の日銀短観では、大企業・製造業の業況判断DIは3期ぶりの悪化となり、景気の踊り場入りを確認する内容であったが、悪化幅は市場予想ほど大きくなかったことから、過度に悲観的な内容ではなかった。日銀は9月の金融政策決定会合において景気判断を引き下げているが、さらなる下方修正を意識させる内容ではないため、金融政策の舵取りに及ぼす影響は限定的だと考えている。なお、今回の短観の調査期間は8月28日~9月28日だが、回答基準日は9月11日であったことから、中国での反日デモの影響は織り込まれていないとみられる。

◆大企業・製造業の業況判断DIは3期ぶりの悪化:大企業・製造業の「業況判断DI(最近)」は▲3%ptと前回(▲1%pt)から悪化したものの、市場コンセンサス(▲4%pt)をわずかに上回った。製商品需給判断は国内、海外ともに悪化しており、需給の悪化が業況を押し下げた。

◆設備投資計画は底堅い:大企業・全産業の2012年度の「設備投資計画(含む土地、除くソフトウェア)」は、前年比+6.4%(修正率:+0.2%)となり、市場コンセンサス(+5.0%)に反して上方修正となった。製造業は前回調査より下方修正となったものの、非製造業の上方修正が全体を押し上げた格好。足下の輸出・生産の減速を受け、設備投資の下振れが懸念されていたが、底堅い結果であったと判断できる。

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