サマリー
◆【業績概要】製造業の業績悪化に歯止め:2012年1-3月期の法人企業統計は、(1)エコカー補助金復活の効果、(2)タイの大洪水に伴う復興需要、(3)円高修正、(4)国際的な金融不安の改善、を背景に、企業収益環境が着実に改善していることを確認できる内容であった。特に、10-12月期に業績が悪化した製造業に持ち直しの動きが見られたことはポジティブに捉えられる。ただし、業種別にみると日本企業の業績回復はまだら模様であると言えよう。
◆【業績見通し】4-6月期は底堅く推移:企業の2012年4-6月期の業績は、(1)東日本大震災に伴う復興需要、(2)緩やかな改善傾向にある個人消費、を支えにして、総じてみれば底堅く推移すると考えている。特に、「輸送用機械」は、エコカー補助金に伴う国内新車販売台数の増加、堅調な北米向け輸出という追い風が続く見通しである。しかし、欧州財政問題の再燃に起因する海外経済の減速懸念が強まっており、外需の影響を受けやすい輸出関連製造業の業績については先行き不透明感が増している。
◆【設備投資動向と見通し】非製造業に反動減:2012年1-3月期の全産業の設備投資(ソフトウェア除く)は前期比▲1.7%と2四半期振りのマイナスとなった。ただし、これは2011年10-12月期の非製造業の設備投資が統計的な振れによって急増した反動が出ただけであるため、全体的にみれば設備投資は緩やかな回復が続いたと判断できる。
◆【GDP予測】1-3月期GDP統計は上方修正と予想:今回の法人企業統計の結果を受けて、2012年1-3月期GDP統計は1次速報から上方修正される見通しである。実質GDP成長率は前期比+1.2%(1次速報は同+1.0%)、年率+4.7%(1次速報は同+4.1%)になると予想する。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
消費データブック(2026/6/3号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2026年06月03日
-
国際比較でみる日本企業の行動変化
収益性の改善をもたらした2000年以降のコスト構造
2026年06月03日
-
2026年1-3月期法人企業統計と2次QE予測
設備投資が5年ぶりに減少/2次QEでGDPは下方修正へ
2026年06月01日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
-
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
-
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

