サマリー
◆【概況】輸出が市場コンセンサスを大きく上回る:2012年2月の貿易統計は、貿易収支が黒字に転換したことや輸出に改善の兆しが出てきた点をポジティブに評価できる内容となったものの、特殊要因が大きく影響を及ぼしている点には少し留意が必要である。輸出金額は前年比▲2.7%と5ヶ月連続のマイナスになった。しかし、前月に見られたアジアの春節の影響がなくなったことや好調な米国向け輸出を背景に、市場コンセンサスを大きく上回った。
◆【地域・品目別動向(名目)】タイ向け輸出は5ヶ月振りのプラス:主要品目別の輸出金額をみると、「電気機器」、「一般機械」、「化学製品」の減少が目立つ。他方、輸出が増加した業種では、米国向けの好調が続く「輸送用機器」が3ヶ月振りのプラスになった点が注目される。主要国・地域別の輸出金額は、米国向けが前年比+11.9%(1月、同+0.7%)、EU向けが同▲10.7%(1月、同▲7.6%)、アジア向けが同▲6.6%(1月、同▲13.7%)となった。大洪水の影響で2011年10月から減少が続くタイ向けの輸出金額は、洪水からの復旧の動きが顕在化してきたことで、前年比+11.4%と5ヶ月振りの増加となった。
◆【今後の見通し】貿易収支は弱含み傾向が継続:輸出は、2月半ば以降に歴史的な円高水準の修正が進んだことが徐々にプラス方向で作用するとみているが、足下では海外経済減速によるマイナスの影響が依然として重石となっており、しばらく横ばい圏で推移すると考える。ただし、世界景気と為替に基づく当社の輸出数量指数の推計値に下げ止まりの兆しが出始めている。そのため、輸出は、海外経済の持ち直しと円高の修正の動きが支えとなり、徐々に回復軌道へ復していくと見込む。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
インフレに負けない資産形成と消費拡大に向けて
金融リテラシー向上、将来不安軽減、中古住宅市場活性化等で資産効果を引き上げ
2026年08月27日
-
AI活用で日本経済はどう変わるのか?
AI活用推進による成長力強化は労働市場への悪影響の抑制とともに
2026年08月26日
-
変化する新卒採用の実態と展望
①早期化・長期化、②ジョブ型採用、③AIの普及の影響を考える
2026年08月25日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

