サマリー
◆【概況】生産は横ばい圏で推移:2011年12月の生産は、11月に低下した反動増によって拡大したが、総じてみれば横ばい圏での推移となった。生産指数は前月比+4.0%と2ヶ月振りのプラスとなり、市場コンセンサスを上回った。実質設備投資(GDPベース)の先行きを占う上で注目される10-12月期の「資本財出荷(除く輸送機械)」は、前期比▲0.7%と2四半期連続のマイナスとなった。
◆【業種別の動向】情報通信機械と輸送機械が反動増:12月の生産を業種別にみると、速報値が公表されている16業種中10業種の生産が拡大した。生産の拡大が目立つ業種は、タイの大洪水で低下した生産の反動増が顕著に現れた「情報通信機械」と「輸送機械」である。最近、急速に普及が進むスマートフォン関連の生産動向が注目されている。業種・品目別では、好調な海外メーカーからの受注拡大によって、「半導体製造装置」の生産に持ち直しの兆しが出始めている。
◆【今後の見通し】生産は底堅く推移:生産の先行きは、東日本大震災の復興需要やエコカー補助金(環境対応車普及促進対策費)が下支えとなり、徐々に回復軌道へ戻ると考えている。短期的には、タイの大洪水で落ち込んだ生産を取り戻す動きもプラスに作用する見込みである。
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