サマリー
◆【1】業況判断DIの「最近」は非製造業と製造業で明暗:12月日銀短観の結果は、海外経済の減速、円高の長期化、タイの大洪水などが製造業の業況感に悪影響を及ぼしていることを裏付ける内容であった。大企業・製造業の業況判断DIの「最近」は2四半期振りの悪化となり、市場コンセンサスを下回った。大企業・非製造業の「最近」は、4%ptと2四半期連続の改善となり、市場コンセンサスも上回った。
◆【2】業況判断DIの「先行き」も不透明感の残る結果:業況判断DIの「先行き」を総じてみると、企業が今後の業況感について慎重姿勢を取っていることを示唆する内容であった。大企業・製造業の業況判断DIは▲5%ptとなり、2四半期連続で悪化する見込み。大企業・非製造業の「先行き」は、0%pt と3四半期振りの悪化が見込まれる。
◆【3】2011年度の収益計画は下期の下方修正が重石:2011年度の全規模・全産業の経常利益計画は前年比▲4.8%となり、9月短観の同▲2.4%から引き下げられた。企業の収益環境の急速な冷え込みから下期計画が前年比▲3.8%と大幅な引き下げとなった。2011年度下期の想定為替レートは77.9円/ドルとなっており、為替が現在の水準(70円台後半)で推移すれば、企業収益のさらなる下方修正は避けられると考えている。
◆【4】設備投資計画は過去のパターンと異なり下方修正:全規模・全産業の2011年度の設備投資計画(含む土地投資額)は、前年比+0.0%と前回調査(同+0.2%)から下方修正された。景気の先行き不透明感が高まっている環境下では、企業は復興需要が実際に顕在化してくるまで、能力増強のための設備投資に対して慎重姿勢を継続するとみられる。
◆【5】日銀短観の結果と今後の政策のポイント:今回の日銀短観では、景気の先行き不確実性が増しているという現状を再確認することができたものの、日本銀行が追加緩和政策に踏み出すための決め手にはならないと考えている。
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