9月CPI~10月の東京都区部は下落幅拡大

今後は震災と商品市況の影響でインフレ圧力が高まる可能性

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2011年10月28日

  • 経済調査部 シニアエコノミスト 神田 慶司
  • 笠原 滝平

サマリー

全国コアCPI 上昇率は前月並み:9月の全国コアCPIは前年比+0.2%となり、市場予想通りの結果となった。財・サービス別に前月からの寄与度の変化をみると、エネルギーの押し上げ幅が縮小し、今年に入って下落幅の縮小が続いた半耐久財の押し下げ幅が拡大したものの、その他の財・サービスが逆に押し上げた結果、全体的には前月並みの伸びとなった。ただし季節調整値でみると、総じて前月を下回っており、これまでおおむね横ばいで推移していた基調が再び緩やかな下落基調へ変化するかどうか、今後も注視する必要があろう。

10月の東京都区部は下落幅拡大:10月の東京都区部の動きをみると、料金改定の影響が色濃く反映された結果であった。コアCPIは前年比▲0.4%となり、前月(同▲0.1%)から下落幅が拡大している。これは主に、昨年値上げされたたばこと傷害保険料が1年を経過して前年比の伸びがゼロになったことにより、▲0.26%pt押し下げられたためだ。なお、震災や商品市況の影響で値上げされた品目もある。こうした値上げは、今後関連製品の値上げに波及していくとみられ、インフレ圧力が徐々に高まっていくと思われる。

今後の見通し:東京都区部等の動きから、10月の全国コアCPIは前年比▲0.1%程度になると予想している。昨年値上げされたたばこと傷害保険料が1年を経過して前年比の伸びがゼロになる影響などから、コアCPIは再び前年割れする見込みである。今後の主な注目点は、復興需要の後ズレと円高・海外経済の減速に伴う雇用・所得環境への影響だ。金融政策について、日本銀行は大震災や円高に対応して当面は緩和的な金融政策を強めていくとみられ、また基準改定によってコアCPIの伸びが1%程度に達するには相当な時間を要すると考えられる。そのため、少なくとも2013年度一杯は政策金利を据え置くとみている。

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