サマリー
◆企業景況感や消費者マインドは下げ止まりから改善へと移行し、最も脆弱な鉱工業の景況感も下げ止まりつつあるが、業種や国によってばらつきが見られる。実体経済では、マインドの動きとは裏腹に年末にかけて悪化しているデータもあり、まだ調整局面といえよう。先行する期待感が剥落するリスクには留意が必要である。
◆景気の谷は浅く、当初懸念されていたほどの深刻な景気後退には至らないとの見方が強まっており、その主因が「神風」ならぬ、異常な暖かさである。エネルギー需給に対する懸念が後退し、エネルギー価格の下落は、企業や家計の負担軽減だけでなく、政府の財布にも優しい状況を生んでいる。さらに、インフレ率がピークアウトしたため、利上げペースの減速、そして早晩の利上げ停止への期待感が高まっている。
◆ただ、2023年を通じて見れば、昨年来の不透明感・不確実性は簡単には払拭できないだろう。すなわち、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が欧州経済の重しになっている構図に変化はなく、エネルギー供給への懸念は企業や家計に慎重さを強いるとみられる。年後半には、エネルギー供給懸念が再びネックとなって、インフレ鈍化ペースが緩慢に、そして経済成長率の加速が限定的になる可能性も否定できない。
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