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コロナ禍で欧州最悪の犠牲者を出す英国の迷走

コロナ収束もままならず合意なき離脱のリスクが急速に高まる

2020年05月27日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆新型コロナウイルスによる被害が甚大で厳格なロックダウン措置が取られた欧州大陸では、5月に入り入国制限の緩和が発表されるなど、出口戦略がさらに本格化している。ただし欧州で最悪の被害を出した英国では、製造業や建設業など、在宅勤務ができない場合の出勤が促された一方で、未だ可能な限り公共交通機関を利用しないよう呼びかけられている。さらに、6月8日からは、海外から英国に入国する場合に14日間の自己隔離措置が導入される予定である。

◆英国では、イングランド以外のウェールズ、スコットランド、北アイランドでは、政府が示した解除方針に反発し、外出自粛を続けている。英国政府はロックダウン措置解除にあたり、5つの条件を付与しているものの、(英国では)死者数が未だ100人単位のため措置の緩和は時期尚早と判断しているようだ。英国政府のスローガンである“ステイ・ホーム(Stay at home)”と”ステイ・アラート(Stay alert)”の違いが分かり辛いなど、あいまいな判断基準も多く、英国政府の対応に不満を募らせているのが実情である。

◆ブレグジット後のEUとの将来的な関係性に向けた協定を巡る交渉は、新型コロナウイルスの混乱により4月には実施できず、5月15日に3回目の交渉がテレビ会議で行われた。ただし進捗は限られたものであり、膠着状態を打開するには至らなかった。4回目の交渉は6月1日から5日間の予定であるが、ジョンソン首相は、移行期間延長を申請する期限となる6月までに、進捗が思わしくなければ、その時点での交渉打ち切りも示唆している。5日間の交渉の行方次第においては、急速に合意なき離脱の可能性が高まることが警戒される。

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