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ジョンソン首相の新離脱協定案をEUは拒否する構え

運命の10月19日はフォークランド紛争以来の土曜開会

2019年10月10日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆10月2日、英国のジョンソン首相は、北アイルランドの国境管理策を含む新たな離脱協定案を発表した。今回の離脱協定案の主眼は、EUが提案したバックストップを完全削除するための代替案である。しかし10月8日に首相官邸筋が、ドイツのメルケル首相がジョンソン首相との電話会談の際に、新たな提案をベースにした合意形成の可能性は圧倒的に低いとの見方を表明したことを明らかにした。

◆この離脱協定案による最大の懸念点は、北アイルランド国境で、通関が必要になることである。北アイルランド国境での検疫や規制検査が排除されるが、関税同盟からは離脱するため通関検査は必要となる。EUはアイルランド島内の交易を妨げるプロセスとなる通関の実施は、受け入れられないというスタンスを貫いている。

◆10月19日にジョンソン首相が離脱期限延期に追い込まれた場合、翌週にも前倒し総選挙の動議提出の可能性が高い。労働党のコービン党首も、合意なき離脱が回避されれば、総選挙を受けて立つと公言している。議会は総選挙の25平日前に解散する必要があるため、10月24日までに解散できれば、11月内の実施が可能である。

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