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メイ首相の離脱協定合意は歴史的大差で否決

英金融街シティはコービン首相誕生を警戒

2019年01月16日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 菅野 泰夫

サマリー

◆1月15日、昨年12月から延期されていた英国のEU離脱(ブレグジット)の条件を規定する離脱協定合意に対する議会採決が実施され、反対432対賛成202と歴史的大差で否決された。離脱合意はEU離脱法の一項であり、政府は遅くとも1月21日までに議会に代案(プランB)を提出するよう義務付けられている。

◆合意なき離脱時に起こりうる緊急事態を避けるためにも、EU側は離脱交渉期限の延長を容認する姿勢を見せていた。ただし今回の議会採決の歴史的な大敗の前に、EU側も離脱協定合意を諦めつつある。欧州委員会のユンケル委員長は、(ツイッター上で)採決の結果を残念に思うとした上で、「ほぼ(離脱交渉は)時間切れだ」と付け加えた。

◆英金融街シティが最も警戒している今後のシナリオは、総選挙の実施と言われている。総選挙に踏み切った場合、離脱を巡る保守党内での分裂により票が割れるため、コービン党首率いる労働党政権誕生の可能性は否定できない。コービン党首が掲げるのは、鉄道や電力等の公共事業の再国有化や、格差解消のための大学教育の無償化など、前時代的な社会主義政策に近いものだけでなく、富裕税の導入などもある。

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