サマリー
◆2009年10月に財政赤字の隠匿が判明して以降、債務危機で揺れるギリシャだが、そのGDP(名目、2014年)はユーロ圏のわずか1.8%を占めるにすぎない。日本のGDPと比較しても5%程度であり、経済規模は大きいとは言えない。とはいえ、ユーロ圏からの離脱観測や、債務問題が他の南欧諸国へと波及するとの懸念から、ギリシャ問題はEUだけでなく世界から注目されている。こうしたギリシャの経済状況を、近年の主要統計から再確認しておきたい。
◆近年のGDP統計を見ると、ギリシャ経済は2008年から悪化し6年連続でマイナス成長となった。2008年から2013年までの間にGDPの26%を失っている。しかし、2014年には個人消費と建設を除く設備投資の下げ止まりにより、実質GDPは前年比+0.8%とわずかながらプラス成長となった。
◆主要産業である観光業は堅調であり、経常収支赤字の縮小に大きく貢献している。特に2014年はユーロ安の影響を受けて、ユーロ圏以外からの観光客が増加した。経常収支は対GDPで大幅な赤字が続いていたが、サービス収支の受取増加と、貿易収支赤字の縮小から2013年以降は黒字となっている。
◆輸出は2009年に大きく落ち込んだが、その後2012年までは主要輸出品目である鉱物燃料輸出がけん引役となって増加を続けた。その後、2013年、2014年はEU域外向け輸出が落ち込んだことから、2年連続で輸出は小幅なマイナス成長となっている。
◆物価は、2010年は増税の影響から高進したが、2013年、2014年はマイナスの伸びとなり、デフレ状態にある。雇用の悪化は深刻であり、25%を超える高い失業率となっている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 財政拡張の効果が拡大
ドイツ製造業受注が急増し、製造業の景況感も改善
2026年02月24日
-
10-12月期ユーロ圏GDP 内需主導で成長加速
主要国が揃ってプラス成長、市場予想から上振れ
2026年02月02日
-
欧州経済見通し トランプリスク再来
追加関税で対米貿易摩擦懸念が再燃/欧州経済中期見通し
2026年01月21日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
-
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
-
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
理系進路選択に対する男女差の要因分析
女性の理系人材を増やすには、より早期段階での介入や対応が必要
2026年02月06日
2026年の東証改革の方針
上場会社の質の向上と新陳代謝を促進する市場機能の強化
2026年02月02日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
第228回日本経済予測
第2次高市政権の重点政策、どう進めるか①外国人労働者受け入れ、②消費減税/成長・危機管理投資、を検証
2026年02月20日

