サマリー
◆2か月に及んだイタリアの政治空白、キプロスの預金課税騒動などにもかかわらず、欧州金融市場の安定は維持されている。しかし、このことはユーロ圏危機が収束に向かっていることを意味するわけではない。危機は蓋をされているだけである。
◆蓋の一つが世界的な金融緩和、第二が米国を核とした景気回復であり、もう一つの大きな蓋が9月に予定されるドイツの総選挙である。金融市場が、選挙終了まで危機対策は進捗しないと見切っているために、期待外れが市場を不安定化させるということが起こらない。この蓋は選挙終了とともに外れる。その後に市場の安定が維持されるかを決めるのは、当然ながらユーロ圏政治である。
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