サマリー
◆ECBによるOMTの市場沈静化効果が効く中で、10月のEUサミットは無風に近い状態で終わった。OMTの威力の源泉は、金額無制限、優先弁済権の放棄の二つに集約される。もっとも、ECBに可能なことは流動性の供給にすぎず、OMTも時間稼ぎの域を出るものではない。にもかかわらず、それが強い市場沈静化効果を発揮しているのは、世の中のコンセンサスが変化しているからである。
◆1年前、既にユーロ圏危機の収束には財政統合が必要という見方がコンセンサスになっていた。しかし同時に、その実現可能性は絶望的というコンセンサスも存在していた。相変わらず政治の歩みは遅いものの、今では一般認識として財政統合は夢物語ではなくなってきている。この変化が、OMTという時間稼ぎの効力を後押ししている。とはいえ、だから安心というわけではなく、財政統合は被救済国に痛みを強いる形で進められる。社会的・政治的にデフレ政策が持続可能かという深刻な問いは未回答のままである。
◆1年前、既にユーロ圏危機の収束には財政統合が必要という見方がコンセンサスになっていた。しかし同時に、その実現可能性は絶望的というコンセンサスも存在していた。相変わらず政治の歩みは遅いものの、今では一般認識として財政統合は夢物語ではなくなってきている。この変化が、OMTという時間稼ぎの効力を後押ししている。とはいえ、だから安心というわけではなく、財政統合は被救済国に痛みを強いる形で進められる。社会的・政治的にデフレ政策が持続可能かという深刻な問いは未回答のままである。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 家計主導の景況感悪化
製造業では駆け込み需要が下支え/英国では政治不安がリスクに
2026年05月27日
-
1-3月期ユーロ圏GDP 市場予想に反して減速
かろうじてプラス成長も、原油高の悪影響本格化の前から成長停滞
2026年05月01日
-
欧州経済見通し 進む資源高対応
財政支援と企業による価格転嫁
2026年04月21日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
-
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
-
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

