英国キャメロン政権が内閣改造を実施

首相のリーダーシップに疑問符、連立政権の軋轢は激化の可能性も

RSS

2012年09月07日

サマリー

◆2012年9月4日、キャメロン英国首相は、2015年の総選挙までの折り返し地点にあたり、内閣改造を実施した。主要閣僚のほとんどが留任し、基本政策に大きな変動はないものとみられる。

◆支持率が低迷し、保守党内の不満が鬱積している時点で、首相としての権力を行使できる最大の機会でもあったが、大胆な改造を行わなかったことにより、キャメロン首相の足場の弱さがより鮮明に露呈された。さらにEU懐疑派の声が強まり、今後のEU政策への影響は必至である。

◆新たに任命された顔ぶれからは、キャメロン首相が2010年総選挙時に見せたソフトなイメージから脱し、保守党右派寄りにシフトした事実が浮き彫りになった。連立政権のパートナーである自由民主党との軋轢は今後より大きくなるものと予想される。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。