サマリー
◆ユーロ圏の4-6月期成長率は前期比+0.2%と1-3月期の同+0.8%から減速した。減速は予想通りだが、金融危機後の景気回復を牽引してきた独仏の減速度合いは予想を上回った。両国の消費不振の一因である物価上昇懸念は最近の原油安で後退しつつあり、また、ドイツの輸出は底堅く、設備投資も拡大基調を維持していると考えられる。ユーロ圏経済は一時的な踊場局面にあり、今後緩やかな回復軌道を辿ると予想される。ただし、独仏首脳が財政問題解決に消極的であることが、金融市場の混乱を拡大させ、これが景気悪化要因となるリスクが高まっている。踊場脱出のためには一刻も早くユーロ圏の財政統合に向けた一致した政治意思を示し、具体的な行程表を明らかにすることが求められる。
◆英国の4-6月期成長率も前期比+0.2%と1-3月期の同+0.5%から減速した。個人消費を取り巻く環境は引き続き厳しく、実質賃金が伸び悩む一方、失業者数は増加傾向にある。景気回復がおぼつかないものの、英国政府が財政再建策を見直す動きとはなっておらず、一方で金融政策は消費者物価が前年比4%台を維持しているなかで、追加の金融緩和策にまだ慎重な姿勢である。英国経済の低成長は長期化することが予想される。
◆英国の4-6月期成長率も前期比+0.2%と1-3月期の同+0.5%から減速した。個人消費を取り巻く環境は引き続き厳しく、実質賃金が伸び悩む一方、失業者数は増加傾向にある。景気回復がおぼつかないものの、英国政府が財政再建策を見直す動きとはなっておらず、一方で金融政策は消費者物価が前年比4%台を維持しているなかで、追加の金融緩和策にまだ慎重な姿勢である。英国経済の低成長は長期化することが予想される。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
欧州経済見通し 追加関税の影響が顕在化
米国向け輸出が急減、対米通商交渉の行方は依然不透明
2025年06月24日
-
欧州経済見通し 対米通商交渉に一喜一憂
米英合意、米中間の関税引き下げは朗報、EUの交渉は楽観視できず
2025年05月23日
-
1-3月期ユーロ圏GDP 成長ペースは再加速
市場予想を上回る良好な結果、ただし先行きは減速へ
2025年05月01日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日