世界は財政赤字の拡大にどう取り組むのか

新興国経済ニュースレター(2020年8月)

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2020年08月06日

  • 児玉 卓

サマリー

◆新型コロナウイルスの感染爆発に見舞われたブラジルやインドでさえ、景気の最悪期は過ぎつつある。回復の足取りが重くなるのは先進国、新興国同様といえようが、世界経済が再度の急収縮に見舞われる可能性は限定的であろう。もっとも、それは全面的なロックダウンによって経済を止めてしまうことが、新興国のみならず多くの先進国も、財政的、社会的に許容できないためでもあり、その結果、グローバルな感染収束に手間取る可能性が高まっているということでもある。

◆先進国、新興国を問わず、急増する財政赤字への対処が極めて頭の痛い問題である。特に資金調達力に難のある新興国の不利は明白だ。最近、少なからぬ新興国の中銀が、事実上の財政赤字の貨幣化を行っている模様であるが、これを緊急時における例外的な措置とできるかどうかなど、コロナ・ショックがもたらす課題は山積している。

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