新興国マンスリー(2018年8月)世界経済「まだら模様」は総崩れの前兆か?

~米国独り勝ちの功罪~

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2018年08月03日

  • 児玉 卓
  • 経済調査部 経済調査部長 齋藤 尚登
  • 山崎 加津子
  • 経済調査部 市川 拓也
  • 経済調査部 研究員 中田 理惠

サマリー

◆IMFは「まだら模様」と呼んでいるが、世界経済は米国独り勝ちの様相を強めている。米国頼みは珍しいことではないが、現在は世界的に景気循環が成熟化しており、他の国・地域が米国に続いて成長モメンタムを高めるといったアップサイドリスクに乏しい。また米国自身の景気も成熟しており、金融政策は引き締め方向にある。これがドル高・新興国通貨安の背景となり、新興国経済を圧迫することで、米国独り勝ちの様相がますます強まるといった状況にある。

◆となると、米国の孤軍奮闘がどこまで持続可能かが次の問題となろう。「まだら模様」の解消が勝ち組不在によって実現する可能性を考慮せざるを得ないということだ。そのうえで注視すべきは、やはり通商摩擦の行方ということになろう。トランプ氏がつぶやくような激烈な関税賦課は、米国自身にとっての最大の脅威である。

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