サマリー
◆米国を軸として、短期的には世界経済は明るさを増している。中国景気が小康状態にある一方、資源価格は堅調であり、新興国の外部環境はベストに近い状態にある。その持続性との関係で、さしあたり問われるのは、米国の景気拡大期待が今後も温存されるかである。
◆トランプ政権にかかわる好材料は、(不法)移民に対する姿勢を軟化させているとみられることである。完全雇用近傍にある米国経済の拡大を可能な限り長期化させるために必要なのは、雇用の拡大ではなく労働供給の拡大、ないしは生産性の向上だからである。
◆一方、米国の通商政策は引き続き混乱しており、それが米中摩擦を激化させることが懸念される。その最悪の帰結は、中国に早期の人民元変動相場制への移行を決断させることである。
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