サマリー
◆トルコでは今年2回の総選挙が行われた。6月の総選挙では与党公正発展党(AKP)が過半数割れとなった。AKPの目指す実権型大統領制への移行を含む憲法改正や、近年の政治の権威主義化に対して国民のAKP支持は低下し、クルド系政党の人民民主党(HDP)が大きく躍進する結果となった。
◆6月の選挙以降、トルコの国内情勢はISによるテロの発生やクルド系武装組織クルド労働者党(PKK)と治安部隊の衝突によるクルド和平プロセスの事実上の停止など、治安面を中心に大きく変化した。再選挙にむけて、AKPは治安の改善や政治の安定を訴え、事前予想を覆し単独過半数を獲得することに成功した。
◆新政権の発足により政治の先行き不透明感が払拭されたことで、経済政策の実施や消費マインドの回復などが期待される。一方、国内のクルド問題をはじめ新政権の課題は山積している。特に、11月24日に発生したトルコによるロシア軍機撃墜によりロシアとの関係が悪化しており、政治的、経済的にトルコにとって今後の最大のリスクとなっている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
グローバル特集レポート 選挙と政治②
「左傾化」と「右傾化」が混在する欧州政治
2015年12月25日
-
グローバル特集レポート 選挙と政治①
南米、欧州、ミャンマーなどに見る「ナショナリズム」と「民主化」
2015年12月25日
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
-
主要国経済Outlook 2024年11月号(No.456)
2024年10月24日
-
最高路線価で読み解く都市の発展史
〜コロナ後の城下町2.0 まちづくり〜『大和総研調査季報』2024年秋季号(Vol.56)掲載
2024年10月24日
-
消費本格回復のカギは高所得世帯と70 ~ 80 年代生まれ
『大和総研調査季報』2024年秋季号(Vol.56)掲載
2024年10月24日
-
日本のウェルスマネジメント市場のポテンシャルを探る
~大和総研「日本経済中期予測」に基づく将来推計~『大和総研調査季報』2024年秋季号(Vol.56)掲載
2024年10月24日
-
英国労働党のハネムーンは苦い思い出に
2024年10月25日
よく読まれているリサーチレポート
-
第222回日本経済予測(改訂版)
不安定化する外部環境の下で日本経済の成長は続くか①米国景気・円高、②金利上昇リスク、③少子化対策、を検証
2024年09月09日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
FOMC 0.50%ptの利下げを決定
利下げ幅の判断に関しては曖昧さが残る
2024年09月19日
-
中国:金融緩和など景気刺激策を発表も効果は?
人民銀行総裁が預金準備率の引き下げ、住宅市場テコ入れ策を「予告」
2024年09月26日
-
超富裕層に税率22.5%のミニマムタックスを導入
「1億円の壁」問題による金融所得一律増税は回避へ
2022年12月22日
第222回日本経済予測(改訂版)
不安定化する外部環境の下で日本経済の成長は続くか①米国景気・円高、②金利上昇リスク、③少子化対策、を検証
2024年09月09日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
FOMC 0.50%ptの利下げを決定
利下げ幅の判断に関しては曖昧さが残る
2024年09月19日
中国:金融緩和など景気刺激策を発表も効果は?
人民銀行総裁が預金準備率の引き下げ、住宅市場テコ入れ策を「予告」
2024年09月26日
超富裕層に税率22.5%のミニマムタックスを導入
「1億円の壁」問題による金融所得一律増税は回避へ
2022年12月22日