サマリー
◆ドル高・新興国通貨安は、米国金融政策転換によって新興国が被る苦境の象徴のように見られがちだが、それは逆である。最近のプエルトリコ、エクアドルの財政危機が示すのは、実効為替レートの上昇が経済を窒息させ、財政破綻の可能性を高めるということである。対ドルレートの下落は、むしろ新興国を危機から救うのである。
◆その点、メジャーな新興国で危機的状況が惹起される潜在的要因を持つ国は中国ということになるが、同国の外貨準備大国としての地位に揺らぎが生じるとは考え難く、景気循環的には同国にはアップサイドリスクも見えてきている。IMFは2016年に新興国全体の成長率が2010年以来初めて加速すると予想しているが、その実現可能性は高いとみたい。
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