サマリー
◆金融緩和の波が先進国から広範な新興国、資源国等へ波及している。世界的にインフレ懸念が高まっていたり、多くの新興国で景気が過熱気味にあるのであれば、このような金融緩和の連鎖は危険であるが、今はそういう状態にはない。これら一連の動きは競争的金融緩和と呼ぶのがふさわしく、通貨戦争などとネガティブにとらえる必要はない。
◆中でも大きなメリットを受けていると考えられるのがアジア諸国である。アジアトータルでは大幅な対日貿易赤字を抱えている。つまり総体としてのアジアにとって、日本は市場であるよりも、また最終製品段階の競争者であるよりも、資本財、中間財等の供給者という側面が強いということだ。円安は多くのアジア諸国の交易条件を改善させる効果を持つ。
◆足もとで見られる新興国通貨の下落は、先進国の長期金利の上昇を背景としている可能性があるが、世界景気見通しの変調が避けられるのであれば、一時的な現象に留まろう。
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