サマリー
特に、ミャンマーが1988年に施行された外資受け入れに関する外国投資法を改正する動きは、欧米を中心とする諸外国のミャンマーへの投資意欲を刺激しているようだ。ミャンマーはインフラ整備が急務であるが、タイと同規模の人口を抱え、天然ガス・石油・木材・宝石などの資源に富み、中国だけでなく、インドという巨大な市場と隣接する。ミャンマーでの欧米勢力拡大は中国の優位性に歯止めをかける可能性がある。
ミャンマーの中国依存度をみると、対内直接投資額では、ボラタイルな推移ではあるが、2011年は総額の約9割を中国が占めた。水力発電所や原油・天然ガスパイプラインの建設など大型投資が中心である。貿易では2000年代に入ってから依存度が高く、2010年は輸入の80%を中国に頼っている。ミャンマーで欧米勢力の拡大が想定される中、中国がこの優位性を保つには、同様にミャンマーの輸入相手国として存在感があるシンガポール(2010年の輸入シェア:27%)やここ数年で東南アジア戦略に注力している韓国(同11%)、輸出では中国よりもシェアを持つタイ(2010年の輸出シェア:30%)やインド(同12%)と連携を強化することが得策となろう。
対ミャンマー戦略に限った話ではない。中国は2010年にASEAN諸国とFTA(投資協定を含む)を発効しているだけでなく、現在、ASEAN+6構想を実現するために、アジア各国と経済的な優遇措置を検討している。アフリカなどでみられた中国企業の対新興国投資は単独資本で行われるケースが多かったが、これからは同じ“アジア”に基盤を持った企業とのマルチ提携などが効果的な手法として増えてくるかもしれない。中国企業に対しては、対外進出において質の向上や、サービス産業の輸出が課題とされてきたが、日台韓などの技術力や、インドやASEANの労働力・市場規模を総合させながら、飛躍する余地はまだまだ残されているだろう。
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