サマリー
◆2025年10月30日の米中首脳会談では、中国による一部レアアースの輸出管理強化の実施開始を1年間延期することや、米国による中国からの輸入品に対する100%追加関税を実施しないことなどで合意した。米中の貿易摩擦問題が大きく改善したように見えるが、多くは9月以降の米国によるエンティティー・リストの適用拡大に端を発して互いにエスカレートしていった報復措置が、1年間停止されるにすぎない。具体的な進展は米国による「フェンタニル関税」の10%引き下げにとどまる。
◆それでも中国経済にとって朗報であることに間違いはない。「フェンタニル関税」の10%引き下げ後の米国の中国からの輸入品に対する追加関税は20%となり、中国の実質GDPの下押しは0.73%に圧縮される計算だ。30%追加関税(1.10%押し下げ)との比較では0.37%ptの改善である。
◆米中間の関税交渉はむしろこれからが正念場である。相互関税の上乗せ分の24%、そして中国がロシア産原油を大量に輸入していることに対する二次関税(インドは25%)の行方はどうなるのか?交渉期間は1年間延長されたとはいえ、着地点は不透明なままであり、厳しい局面の出現も想定されよう。
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