目下、中国が資本取引の自由化の歩みを速める必要を見出すことはできない。自由化するか否かは、中国の金融システムの安定性・健全性によって決定される。筆者は資本取引の自由化には賛成であるが、それは現実に基づいて段階的に進めるべきであり、自由化は慎重に行われなければならない。中国と世界の金融市場の間には一本の長城が横たわっていることから、我々はしっかりと準備してから一歩一歩開放を進めて行く必要がある。
中国の金融システムは大きく改善したものの、まだ市場の試練を経験したことがない。銀行システムが大規模な資本の流入と流出に耐えることができるか全くわからない。それによって、中国の金融市場で何か良からぬ事態が生じても救済されないことから、我々は上記の問題について慎重になる必要がある。
為替相場制度の変更と資本取引の自由化、この二つはどのような関係にあるのか?中国はまず為替相場制度の改善を行い、為替レートを市場によって決定されるようにし、その後に資本取引の自由化を実施するかを議論すべきであろう。為替レート変動の自由化が順調に行われることは資本取引の自由化に役立ち、多くの裁定取引の余地を減らす。
中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(三中全会)で発表された公報(コミュニケ)の中で、資本取引の自由化を加速すると提起されたことをどう理解するか。我々は中国が置かれている現状や直面している国際情勢に基づき、国内の金融情勢(例えば金融システムは安定し、脆弱な部分は解消されたのか等)を特に注視しなければならない。未解決のままのリスクがある日突然顕在化すれば大変危険である。資本取引の自由化は漸進的な方法を採用し、状況に応じた措置を講じなければならない。
筆者は米国連邦準備制度理事会(FRB)を訪れた際の取材で、関係者に「米国が量的金融緩和政策を実施して経済の回復をはかっているのはなぜか?」との質問を投げかけた。現在の米国経済でインフレ圧力は強まっておらず、他にも問題もないように見える。だが、FRB関係者は口を揃えてインフレ懸念があると言っていた。つまり彼らは今のところ明らかなインフレ加速の兆候がないものの、今後についてはその可能性を排除できないと考えているのである。
また、彼らは量的緩和政策が市場に大きな歪みをもたらしたと考えている。つまり、彼らはFRBが本来購入すべきではなかった長期国債を購入したことによって様々なバブルが形成されているとの認識を持っている。筆者は米国の住宅価格が再び上昇していることは恐らくバブルを含んでいると考えているが、バブルであると断言はできない。しかしながら、何かおかしいと感じる時には警戒し、更なる研究を進めるべきである。
※掲載レポートは中国語原本レポートにおけるサマリー部分の和訳です。
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