中国とインドは隣国である。両国は世界が最も注目する二大新興国であり、ともにBRICSの一員でもある。経済発展モデルにはそれぞれ特色があり、中国は「龍」、インドは「象」に例えられている。中国にとっての中印関係は長期的にみて米中関係の次に重要であると一部の研究者に言われるまでになっている。
2013年の中印関係には二つの重大な発展があった。一つは、5月に李克強氏が首相就任後、インドを最初の訪問地として選択したこと、もう一つは、10月にシン首相が訪中したことである。両国の首相が一年以内に互いの国を訪問したのは1954年以来のことである。中印両国は既に、上層部の相互訪問や、経済や貿易における各方面での協力体制の構築と実務レベルでの協力強化、双方の利益となる政策の実施を通じて、経済貿易関係を新たな段階に向かわせようとする意思を明確にしている。
この中で、投資は中印の経済貿易連携における重点分野である。中国企業はインド市場を開拓するうえでどのようにチャンスを掴むべきか?中国企業がインドへ投資する際には「三つの必要と三つの不要」に注意しなければならない。
- 「三つの必要」とは
- ・中印両国関係の発展動向を見極めること
- ・投資対象を誤らないこと
- ・投資の実行場所を誤らないこと
- 「三つの不要」とは
- ・インド経済の潜在成長力を過大評価しないこと
- ・インドの投資環境を過大評価しないこと
- ・インドの労働力市場の特徴を認識することをおろそかにしないこと
これらは、中印関係の発展に伴う投資機会に注目すると同時に、中国企業も投資リスクを充分に認識する必要があるとする。特にインド経済の見通しや、投資環境、労働力市場については冷静に分析するべきである。
※掲載レポートは中国語原本レポートにおけるサマリー部分の和訳です。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
金融リスク抑制の十年を点検する
2018年09月20日
-
中国社会科学院「今後の不良債権に対応するために実施すべき三つの方策」
2018年03月08日
-
中国社会科学院「中国のシャドーバンキングの発展段階、主な特徴、潜在リスク」
2017年09月01日
最新のレポート・コラム
-
「九州・沖縄」「北海道」など5地域で悪化~円高などの影響で消費の勢いが弱まる
2025年7月 大和地域AI(地域愛)インデックス
2025年07月14日
-
2025年5月機械受注
民需(船電除く)は小幅に減少したが、コンセンサスに近い結果
2025年07月14日
-
不平等・社会関連財務情報開示タスクフォース(TISFD)の構想と日本企業への示唆
影響、依存、リスクと機会(IDROs)をいかに捉え、対処するか
2025年07月14日
-
トランプ減税2.0、“OBBBA”が成立
財政リスクの高まりによる、金融環境・景気への悪影響に要注意
2025年07月11日
-
中央値で見ても、やはり若者が貧しくなってはいない
~20代男女の実質可処分所得の推移・中央値版
2025年07月14日
よく読まれているリサーチレポート
-
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
-
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
第225回日本経済予測(改訂版)
人口減少下の日本、持続的成長への道筋①成長力強化、②社会保障制度改革、③財政健全化、を検証
2025年06月09日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
「トランプ2.0」、外国企業への「報復課税」?
Section 899(案)、米国に投資する日本企業にもダメージの可能性有
2025年06月13日
日本経済見通し:2025年5月
経済見通しを改訂/景気回復を見込むもトランプ関税などに警戒
2025年05月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日