わが国の投融資体制には8つの大きな問題が存在している。長年にわたる投融資体制改革において中心的な構想である財政主導から金融主導への転換は進んでいない。客観的に見て財政直接投資、市場金融性投資以外の投融資体制について、わが国は発展途上国の大型経済体であり、都市化も未完成であることを考慮し、さらに中長期の政策性金融を用いた投融資モデルを必ず構築しなければならない。現在の体制に存在する問題をめぐり、四つの面から改革を推進する必要がある。
一つは環境の保障である。公共投資と非公共投資の役割を明確にし、市場化の投資管理と抑制構造を作り上げる。二つめはモデルの保障である。異なる投資目標に基づき、異なる投資主体に、異なる投資モデルを選択する。三つめは要素の保障である。異なる融資主体および金融商品を発展、刷新させることにより、多元化する中長期投融資のニーズを満たす。四つめはプロジェクトの保障である。真に成長と住民サービスに有利な公共投資プロジェクトを発展させ、非公共投資の質と成果を保障し、投資の効果低下と膨張を避ける。
今年2月にロシアで閉幕したG20財務中央銀行総裁会議上で、初めて長期投資・融資を推進することが経済成長と雇用促進に対して重要であることが強調され、また各種の長期投資・融資問題の研究を進めていくことが決定された。これについて、昨年12月にロシアのシルアノフ財務大臣が、2013年9月にロシアのサンクトペテルブルグで行われるG20首脳会議において「経済成長と雇用創出における投融資の基礎的役割」について提議し討論することを表明している。
先進国のマクロ経済政策には大きな不確定性が存在し、民間は「脱レバレッジ」を継続、貸出機能は損害を受け、世界経済の需要の再均衡の過程が未完成である。これらのことから、弱まっている世界経済に対応するため、投資の促進が中国やロシアなど経済新興国の政策の焦点となり、先進国の関心も高まっている。
いわゆる長期投資は一年あるいは一年より長い経営周期で行われる現金に転換するつもりのない投資を指し、直接投資や間接投資を含んでいる。投融資体制について討論する時は通常、長期直接投資およびそれとセットである融資に関係する制度、市場、手段、環境を指す。
長期にわたり、多くの投資が中国経済のスピード成長を支えてきた。だが経済成長の減速や差し迫った発展方式転換の必要性から、これまでの投融資体制に存在する弊害が更に露見してきている。根本から考えれば、現在の投融資体制の基本構造をできるだけ早く改革することが、新しい都市化と経済の持続的成長のニーズに対応することにつながる。
わが国の投融資体制にはどのような問題が存在するのだろうか。
長年の市場化改革を経て、現在の投融資体制は計画経済という背景の下、すでに大きな改善があったものの、いくつかの突出した問題が存在している。それは主に次の八つの面に現れている。
- 資金調達と運用の間に明らかに期間のミスマッチのリスクがある。
- 各種の潜在的な流動性リスクが存在する。
- 融資構造のゆがみが存在する問題。
- 投資主体のズレの問題。
- 投融資モデルの選択の問題。
- 中長期投融資の特徴に適した制度と管理メカニズムの欠乏。
- 投資効率と利益があまり良くないにもかかわらず、投資依存度が高すぎる。
- 投資が受けるマクロコントロールの影響が過大である。
※掲載レポートは中国語原本レポートにおけるサマリー部分の和訳です。
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