2013年1月 「アジア太平洋地域の経済関係の新たな進展」

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2013年03月04日

  • 李春頂

2012年のアジア太平洋地域の経済は「欧州債務危機」の影響によって外需が落ち込んだことから、地域内の経済連携と相互依存が深まった。地域一体化の構築と発展は2012年のアジア太平洋の経済関係の新しい変化を象徴している。中でも環太平洋経済協定(TPP)は進展が比較的早く、4回の交渉を経て具体的な進展があり、既にメキシコとカナダが正式に交渉へ加わっている。中日韓の自由貿易協定(FTA)交渉については何度か曲折があったものの、年内の交渉開始が決定されている。だが、中日、韓日間の領土問題が交渉の進展を阻む可能性があることから、FTA交渉のこの先数年の発展は困難であると予想される。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)はASEANが2012年2月に提案した地域一体化計画であり、正式な交渉は昨年末に始まった。ヨーロッパとアジア太平洋地域の提携はAPEC首脳会議でロシアが提出した地域一体化構想であるが、提出されたばかりの状態でまだ進展はない。今後、進展が予想されるのはTPPが最も早く、その次がRCEP、中日韓FTAは3番手となり、ヨーロッパとアジア太平洋地域の提携については実現が難しいであろう。


※掲載レポートは中国語原本レポートにおけるサマリー部分の和訳です。

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