1960年代の大飢饉以前、中国の都市部から多くの若い学生が強制的に農村部へ移住させられた(下放)。しかし、このことで都市部がいち早く「高齢化」したわけではなく、農村部も「人口ボーナス」を受けることはなかった。さらに、1970年代末には多くの下放された若者が都市部へ戻ったことで、若者の安定就職が当時最大の社会問題となった。当時の人口は現在よりはるかに若者の割合が高かったが、彼らは食料や衣服を得るための仕事がなかったため、経済社会全体の大きな「負担」となった。現在、情勢は逆転して、高齢者が大きな「負担」となっており、高齢者を支えることが将来の中国経済社会の最大の困難になると考えられている。文化大革命時の知識青年世代は、なぜ若い時も、高齢となっても、常に経済社会の大きな問題となってしまったのか?実際には、これまで過去30年の急速な経済成長もこの世代の人々が実現してきたのだが……。
※掲載レポートは中国語原本レポートにおけるサマリー部分の和訳です。
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