2012年9月 「経済成長の原動力はあるが、エネルギー情勢は見極める必要がある」

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2012年11月07日

  • 李平
  • 李鵬飛

現在、中国の経済の外部環境は楽観視できない。世界金融危機の影響は根深く続いており、世界経済における不均衡の解消に比較的長い時間が必要であることが理由である。まず、世界経済の回復が困難かつ複雑であり、中国の経済成長に対する外需の牽引力が明らかに弱まっている。次に、世界経済は再び均衡のとれた状態へ向かおうとしており、供給構造にはっきりとした変化が現れ、保護主義的な政策が次々と出ている。さらに気候変動やエネルギーの安全保障などの世界的問題が突出し、中国経済は更に多くの制約に直面していると言える。しかしながら、中国は13億人余りの人口を有する世界第2位の経済大国である。大国の経済成長には外部環境はもちろん重要だが、さらに重要なのは中国国内における成長の原動力と制度保障である。「第12次5カ年計画」の期間、あるいは更に長い期間において中国経済の成長の原動力は依然として力強く、制度保障も強力である。具体的には、[1]工業化と都市化が加速度的に進展することで、投資と消費の力強い伸びが維持される、[2]消費構造と産業構造の高度化を加速させることで、多くの新たな成長分野が生まれ続ける、[3]インフラ建設と環境保護に巨大な潜在需要が存在する、[4]貯蓄率が高水準の状態で維持されることで、経済発展に必要な資本を充足できる、[5]科学技術水準の発展を加速させ、労働者の質が絶え間なく向上するなど経済発展に対する知的支援を行う、[6]複雑な経済環境に対するマクロコントロールを行う能力が高いことなど、経済体制の活力が明らかに高まっていることで、経済発展を制度面から保障している、ことが挙げられる。


※掲載レポートは中国語原本レポートにおけるサマリー部分の和訳です。

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