サマリー
◆米トランプ大統領は2025年4月2日、相互関税の詳細を発表した。中国に対する相互関税率は34%であり、4月5日に10%、4月9日に24%の追加関税が実施される。米国は、中国からの輸入に対しては、2月4日に10%の追加関税を、3月4日にさらに10%上乗せして計20%の追加関税を課していた。大和総研は計20%の追加関税で中国の実質GDPは0.7%押し下げられると試算した。今回を含め、累計54%の追加関税で、中国の実質GDPは2.0%押し下げられる計算だ。
◆大和総研では20%追加関税の段階で、2025年の中国の実質GDP成長率を4.5%程度と予想していた。今後、中国は利下げ、預金準備率引き下げ、追加の財政政策など、内需を刺激するために、金融・財政政策を総動員することになろう。それでもトランプ・ショックを補うことは困難であり、2025年の中国の実質GDP成長率は4%を割り込む水準に落ち込むと(暫定的に)予想している。
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